2017/11/20 月曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 13:16:19

コレステロールはどこまで下げる?

lower is betterPCSK9阻害薬の登場

 

lower は、low「低い」の比較級、betterは、good「よい」の比較級、「低ければ低いほどよい」という意味;受験英語を思い出した人も? 実はこれは最近のコレステロール値についてのコメントです。

コレステロール(正確にはLDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロール)が高いことが動脈硬化性疾患、特に冠動脈疾患のハイリスクであることは、既にひろく知られていることです。そして、その治療薬として、スタチンと総称されているグループ(メバロチン、クレストールなど)が使用されています。そのおかげで、コレステロールの管理はかなり容易になり、虚血性心疾患の予後は、著しく改善しました。

それでも治療抵抗性のケースも多くあります。

最近、スタチンとは異なったメカニズムでコレステロールを下げることが出来る、PCSK9阻害薬(エボロクマブ、アリロクマブ)が登場しました。これは、スタチンでも治療が困難であった高コレステロール血症にも効いて、そのコレステロールを下げることが可能となりました。また、下げすぎても都合の悪い事象は出現しないことも分かりました。

この様な背景から、コレステロールをどこまで低下させるか、その「目標値」についても議論されています。そして、その結論がタイトルのことばです。

コレステロールは低いに越したことはなく、下げられる限り下げましょうというのが現在の考え方です。

 

PCSK9: proprotein convertase subtilisin/kexin type 9

2017/10/24 火曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 9:29:06

動脈硬化症は、「病名」ではありません

 

動脈硬化は生後間もなくから始まり、一生つきあわなければならない動脈の変化です。

動脈は、内膜、中膜、外膜の3層から成り立っており、動脈硬化が発症するのは、最も内側の、血液にいつも接している内膜です。この表面を覆っている内皮(一種のバリアー)が血流の勢いなどのストレスで傷つくと、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)などがしみこみ、粥腫(お粥のような塊)(じゅくしゅ と読みます、粥一字ではしゅくと読みます)を形成します。これが、動脈硬化症の「コア」となり、壊れて血栓源となったり、炎症を起こして繊維成分を巻き込んだりして硬くなって、動脈硬化が発現・進展します。動脈硬化とは、元々このような変化を表す病理学的用語です。従って病気の名前(病名)ではありません。

さて、動脈は、体中の臓器に分布しています。臓器障害の原因がそこの血管の動脈硬化症であるとき、動脈硬化性疾患と呼びます。例えば、脳であれば「動脈硬化性脳疾患」(脳梗塞、脳出血など)、心血管であれば「動脈硬化性心疾患」(心筋梗塞、狭心症など)という“病名”が生まれます。

 動脈硬化は加齢に伴って進行するものですが、特に進行を助長する因子を危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満など)と呼びます。日本動脈硬化学会では、これらに加えて高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群なども高リスク病態に追加しました。

動脈硬化性疾患はいずれも生命を脅かす血管病です。このような危険因子を可能な限り排除して、動脈硬化性疾患の予防に努めたいものです。

2017/7/27 木曜日

獅子舞〜\(´ω` )/

先日、オープンキャンパスの途中に

『獅子舞』がやってきました(´^ω^`)

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祖原の地域行事として毎年行っています。

頭を噛んでもらうと、悪魔祓いされるとか・・・・!

オープンキャンパスに参加されたみなさまにとって

よりいい1年でありますようにとお願いしました(●´艸`)

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2017/7/26 水曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 10:01:35

ふた通りの「心不全」の成り立ち

心臓が一回収縮するときに心臓(左心室)から拍出される血液量を、1回心拍出量といいます。この値に1分間の心拍数を掛けると1分間に心臓から拍出される血液量になります。これを、心拍出量といい、心機能を表すひとつの指標です。

正常な人では、一回の心拍出量は、100ミリリットル程度です。従って、脈拍60/分であれば、100×606000ミリリットル、つまり6リットルの血液が1分間で拍出されています。人の血液量は、体重の1/13程度です。体重60Kgの人であれば、60×1/134.6キログラム=4.6リットル、つまり、体中の血液の半分以上を1分間に循環させているということになります。心臓はなかなかの働きもの!でしょう。

一方。心筋梗塞などで、心臓が弱るとパワー不足となり、心拍出量も少なくなります。(低心拍出量状態)。結果、脳血流の低下(意識低下)、腎血流の低下(尿量減少)、末梢血流の低下(手足の冷感)などの症状が出現します。「心不全」のひとつのパターンです。

さらに、パワー不足は、左心室の上流(つまり、肺)の血液循環を滞らせます。(うっ滞)。その結果、肺血流のうっ滞、広く静脈系のうっ滞、を来します。この循環血液うっ滞状態をうっ血といいます。静脈系のうっ血状態が続けば、静脈内圧が上がり、細静脈の壁から血液成分(水分、血漿)が組織間隙に浸みだし、むくみ(浮腫)を形成することになります。つまり心不全のもう一つの形、全身のうっ血が目立つ 「うっ血性心不全」です。

同じ「心不全」と呼ばれる中には、その起こり方の違いから、ふた通りがあると云うことができます。それぞれのパターンによって、対処、治療方法は異なります。

2017/2/27 月曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 16:34:55

難治性高血圧症(治療抵抗性高血圧症)

 

今回から、循環器病関連の話題に戻ります。

今回は、難治性高血圧症(治療抵抗性高血圧症)をとりあげます。

これは、血圧を下げようと降圧薬を複数使っても、なかなか旨く下がってくれない、そのような高血圧症の総称です。

高血圧治療に用いられる薬剤は、主として次のような4「クラス」から選択されます。即ち、々澎詰尿薬、ARB(アンジオテンシン受容体ブロッカー)/ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬、です。

難治性高血圧症(治療抵抗性高血圧症)とは、「利尿薬を含む異なるクラスの降圧薬3剤を用いても目標とする血圧値が得られない高血圧症」と定義されています。

この中には、「高血圧になる『原因』がある」ものがあります。これは、「2次性高血圧症」と呼ばれます。これに対して、主として遺伝的な要素を持つ、原因不明の通常遭遇する高血圧症を「1次性高血圧症」と呼んでいます。

難治性高血圧症の中には、この「2次性高血圧症」が含まれていることがあります。例えば、腎臓病や腎血管の狭窄が原因であるもの、血圧を上昇させるホルモンを分泌する副腎皮質の過形成(原発性アルドステロン症)、副腎腫瘍に基づくもの(クッシング症候群)などがあります。これらは、一般的な降圧薬治療だけでなく、その原因を取り除く治療が必要となります。

降圧に苦労する難治性高血圧症の中には、通常の高血圧症とは異なった、血圧を上昇させる原因疾患が存在するかもしれないということも考慮に入れて対応しなければなりません。

2017/1/5 木曜日

★☆2017☆★

Filed under: キャンパスライフ, プライベート — yo @ 10:59:56

新年あけましておめでとうございます!!

今年も福岡医療のブログをよろしくお願いいたします(@・`ω´・)ノ

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2017年はつブログということで・・・・・

校内の写真を撮ってきたぜい☆★

正門入る前に大きく校名が・・・・

ほんとに大きい学校だな〜(*´・ω・。)

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街中なのに自然もたくさん〜(*-ω-)*´ω`)*-ω-)*´ω`)ウンウン♪

玄関に入ればたくさんの優勝旗〜今年は何本持って帰るかな???

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今年もたくさん更新していきますので

ぜひ見てくださいね((o(★・ω・)人(・ω・☆)o))

2016/12/21 水曜日

ドクターハートのつぶやき(23)

Filed under: プライベート — yo @ 13:03:50

虚血性心疾患の検査◆MRI検査

MRIMagnetic Resonance Imaging 磁気共鳴画像法)は、一言で言えば、臓器に含まれている水と脂肪の状態を画像化する技術です。放射線と無縁であることから、人体に無害な検査法と云えます。但し、検査施行時に大きな音が出るのでそれに驚く人が多いようです。

MRIの中で、血管に特化して画像を得る場合は、MRAMagnetic Resonance Angiography)と呼ばれます。

これらが、脳出血や脳梗塞、脳動脈瘤などの診断に広く用いられていることは、周知の通りです。

一方、拍動する心臓やその血管の検査への応用は、画像収集の「ハード」面の進歩が追いつかず、遅れていました。

心拍動の様子は、多方向からMRI撮影し、それをシネモードで見ます。これにより、心臓の動き観察することが可能となり、例えば虚血のために心臓の壁運動が低下している部位心筋梗塞部位)を目で見ることが出来ます。心筋梗塞部を診断することは勿論、心機能の善し悪しなども知ることが可能となりました。

しかし、壁運動低下を示す虚血心筋部分の静止画像(収縮終期、拡張終期)を得るためには、いろいろな工夫が必要でした。薬剤を使って、極端な徐脈にして静止に近い心臓の画像として、収縮期と拡張期とを撮影し、それらを並べて比較する。心電図から信号をもらって、心収縮の一定のphase(相)で撮影し、それを多数重ねて、一見静止しているごとき画像とする。等さまざまな方法が工夫されています。また、特殊な核種(ガドリニウムなど)を注射して撮影、心筋虚血部分を強調する方法なども一般的に行われています。

虚血性心疾患の診断には、心臓を環流する血管−冠動脈−の病変の描出も必要です。冠動脈の描出には、心筋や脂肪組織の信号を抑制して冠動脈の信号を強調して、画像を再構築する等の方法がとられます。
その他、画像表示のための多くの方法が開発され、今や放射線と造影剤を用いた冠動脈造影法は冠動脈バイパス手術術前評価以外にはその必要性が少なくなったといっていいほどです。

心臓MRIMRAは、今後ますますその必要性が増すでしょう。

2016/11/18 金曜日

ドクターハートのつぶやき(22)

Filed under: プライベート — yo @ 16:16:48

冠動脈検査の進歩:CT検査

狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の診断には、冠動脈に造影剤を注入し、その「影」をレントゲン撮影し、ムービー表現(シネアンギオグラフィー、ビデオアンジオグラフィー)により、視覚的に判断すること(「冠動脈造影法」)が基準です。

しかし、この検査は、冠動脈入口部にカテーテルを挿入しなければならないという、観血的(侵襲的)方法であり、被検者に少なからず苦痛を強いることになります。

CT検査は、脳(出血、梗塞、腫瘍など)や、肺(結核、癌など)など、動かない対象の静止画像の撮影、病巣の検出には広く採用されている検査です。しかし、動きの激しい被写体つまり冠動脈などへの応用は、レントゲン爆射時間を短時間にしなければならない、同時に多方向から撮影する必要がある、等の課題が解決されず、遅れていました。

最近、このような技術的な問題の解決が進み、カテーテルを挿入しないで経静脈的に造影剤を注入する、造影CT検査でも、動きの激しい冠動脈の描出も可能となり、従来の冠動脈造影法に匹敵するqualityになって来ました。更に、冠動脈に色をつける、それを平面図にする、等の画像処理の進歩も相まって、ある意味では、冠動脈造影法を凌駕する画像表現が得られる様になりました。このため、冠動脈疾患が疑われるときには、先ずCT検査が選ばれるまでになりました。

被検者の受ける苦痛が少なくなった一方、造影剤必要であること、放射線被曝が大きいこと、など課題はまだ残ります。

この様な課題が解決され、更に良質な冠動脈の画像が得られる様な方向で改良、開発は進んでいます。

2016/9/26 月曜日

ドクターハートのつぶやき(20)肥満症

Filed under: プライベート — yo @ 15:54:21

先日、日本肥満学会より「肥満症診療ガイドライン2016」が発表されました。これは、2000年に発表された「肥満の判定と診断基準」の改定版です。今回は、これをもとに、肥満・肥満症について述べましょう。

 肥満とは、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態」と定義されています。「過剰」かどうかの判定のためには、本来なら、「体脂肪量」を測定しなければなりません。しかし、現在、それを正確に且つ簡便に測定する方法はありません。そこで体脂肪との相関が良いとされる、「体格指数」(BMI: Body Mass Index 体重Kg÷身長M²)が用いられています。因みに、BMI=22の時に色々の疾患の有病率が最低になると云われ、この時の体重が標準体重として採用されています。例えば、身長170cmの人の標準体重は、1.7²×2264Kg

体重75Kgでは、そのBMIは 75÷1.7²=26となります。BMI25を肥満と呼び、BMI35は、単なる肥満に比しより合併症の心配があるところから高度肥満と呼びます。

肥満症とは、「肥満に起因あるいは関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態であり、疾患単位として取り扱う」と定義されています。云いかえれば、「治療の必要がある肥満」が肥満症ということです。ここで云う「健康障害」としては、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症、冠動脈疾患、脳血管疾患など、11項目が挙げられています。

肥満症と関連があるのは、皮下脂肪でなく、内臓周辺の所謂「内臓脂肪」です。

肥満症の改善, 即ち減量(内臓脂肪の減少)のためには、摂取カロリーの制限と適度な運動が欠かせません。減量を目的とした運動を通常の生活の中で取り入れることは、かなりな努力が必要です。一方、カロリーの制限は、その気になれば取り組みやすいのではないでしょうか? そこで、今回は、カロリー制限について、触れておきます。

先ず目標体重を設定します。理想的には、標準体重(BMI22)を究極の目標とします。そのために、摂取カロリーを制限します。1日摂取カロリー=25キロカロリー×標準体重(即ち身長M²×22)が良いとされています。先の体重75Kg, BMI26, の場合、 25×641600キロカロリーとなります。これはかなり困難な到達目標値です。そこで、まずは、肥満体重から抜け出すよう目標設定したが良いでしょう。先の75Kg, BMI26であれば、72Kgを目標とすれば72÷1.7²25 となり、めでたしめでたし。因みに、体重維持を目標とするときは、標準体重×30キロカロリーが至適です。先の例では、適切エネルギー摂取量=64Kg×30キロカロリ−=1920 キロカロリ−ということになります。

減量のペースは無理なく取り組める値が良いでしょう。1ヶ月0.5kg、年間6kg が良いとされています。

なぜ「肥満」が健康障害を引き起こすのか? その理論については、稿を改めて解説します。 

2016/8/21 日曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 14:29:08

心肺停止と心肺蘇生

最近、災害事故などの報道では、その犠牲者に対して「死亡」とは云わずに、「心肺停止」と伝えられることが多くなりました。「死亡」の判断には、心臓・呼吸停止の他に、瞳孔の光に対する縮瞳反射がない、など、医師による確認が必要とされています。従って、医師以外の判定では、「死亡」とは云えず、「心肺停止」と表現されているようです。

心肺停止とは、英語表現のCPA CardioPulmonary Arrest に由来しています。さらに、心肺蘇生術CPR CardioPulmonary Resuscitation により蘇生できる可能性を残しているとの意味合いも含んでいます。

緊急時(心室細動による意識不明)のCPRに関しては、これまでは、ABCAirway気道確保、Breathing 人工呼吸、Circulation循環確保)の手順が良いと言われていました。最近、ガイドラインが変更され、CABCompression 胸骨圧迫、つまり体外式心臓マッサージ法(心マ)、openAirway気道確保、Breathing呼吸)と呼称が変わってきました。即ち、緊急時には、先ず心マ(1分間に100120回の胸骨部の圧迫)を行い、AEDAutomated External Defibrillator)を作動させる、と。心拍を再開させると共に、心停止中でも脳循環は確保する、に重点が置かれています。気道確保や口-口人工呼吸などは、2の次になりました。 特に、心マに関しては、以前より圧迫回数が頻回になっています。この回数を一人で行うには、2分間が限度です。はじめから交代人員と共に始めるべきです。

最近、色々なところでAEDに関する講習会が開かれています。心マの方法に関しても、セットでレクチャーされることが多いので、ぜひ積極的に参加して習得して下さい。そして、いざというときに「ためらいなく」AEDを使い、CPRに寄与して下さい。

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