2017/10/24 火曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 9:29:06

動脈硬化症は、「病名」ではありません

 

動脈硬化は生後間もなくから始まり、一生つきあわなければならない動脈の変化です。

動脈は、内膜、中膜、外膜の3層から成り立っており、動脈硬化が発症するのは、最も内側の、血液にいつも接している内膜です。この表面を覆っている内皮(一種のバリアー)が血流の勢いなどのストレスで傷つくと、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)などがしみこみ、粥腫(お粥のような塊)(じゅくしゅ と読みます、粥一字ではしゅくと読みます)を形成します。これが、動脈硬化症の「コア」となり、壊れて血栓源となったり、炎症を起こして繊維成分を巻き込んだりして硬くなって、動脈硬化が発現・進展します。動脈硬化とは、元々このような変化を表す病理学的用語です。従って病気の名前(病名)ではありません。

さて、動脈は、体中の臓器に分布しています。臓器障害の原因がそこの血管の動脈硬化症であるとき、動脈硬化性疾患と呼びます。例えば、脳であれば「動脈硬化性脳疾患」(脳梗塞、脳出血など)、心血管であれば「動脈硬化性心疾患」(心筋梗塞、狭心症など)という“病名”が生まれます。

 動脈硬化は加齢に伴って進行するものですが、特に進行を助長する因子を危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満など)と呼びます。日本動脈硬化学会では、これらに加えて高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群なども高リスク病態に追加しました。

動脈硬化性疾患はいずれも生命を脅かす血管病です。このような危険因子を可能な限り排除して、動脈硬化性疾患の予防に努めたいものです。

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