2019/1/17 木曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 9:36:40

左心不全と右心不全

福岡医療専門学校   顧問 桑木絅一(循環器専門医)

 

以前に、心不全診療ガイドライン(つぶやき39)をご紹介しましたが、心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみがおこり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気と定義されています。今回は、これをもう少しかみ砕いて、解説します

心臓は、血液を拍出して、それを全身に供給する臓器です。つまり、「ポンプ」です。心臓には、二つのポンプ室があります。全身に血液を送り出す役目の「左心室」と肺に送り出す役目の「右心室」です。

さて、左心室が病気になる(心筋梗塞、心筋症など)と、ポンプ機能失調のため、心拍出量が低下し、全身の臓器に十分な血液の供給が行えなくなります。その結果、息切れ、倦怠感、尿量減少などの左心不全症状が出現します。この段階では、目立った心不全症状とは受け取られないことが多いと思います。

一方、典型的な右心不全を来す右心室の心筋梗塞では、そのポンプ機能が損なわれ、肺への拍出が不十分となります。血液は、右心室に滞り、さらに、その上流に当たる静脈系の血流鬱滞がおこり、静脈圧の上昇、血液水分のシミだし、が起こり、「むくみ」が発現します。つまり、右心不全です。心不全症状として、目立ったものになります。

右心不全を引き起こす病気としては、このほかに、肺梗塞、肺高血圧症などがあります。これらの病気では、右心室の下流である、肺動脈の血管抵抗の増加のため、右室圧が上昇し、その上流の静脈系の鬱滞を来します。

左心不全は、尿量減少、体液貯留などを引き起こし、結果、右心不全を引き起こし、両心不全となります。

いいかえれば、左心不全は、低心拍出量によるもの、右心不全は、静脈系の鬱滞によるもの、と極論できます。

しかし、両心不全を絵に描いたように左心不全、右心不全と分けることは出来ません。心不全〔両心不全〕の成り立ちを考えるとき、左心不全から発展した? 右心不全が起源? と考えることにより、治療方針の決定に役立たせることが出来ます。即ち、左心不全では、心拍出量を増す操作(強心剤投与)、右心不全では、体液量を減らす治療(利用薬投与)といった具合です。

今回は少し長くなってしまいましたが、何度か繰り返し読んで頂き、心不全の成り立ちについて理解を深めて下さい。

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