2016/12/21 水曜日

ドクターハートのつぶやき(23)

Filed under: プライベート — yo @ 13:03:50

虚血性心疾患の検査◆MRI検査

MRIMagnetic Resonance Imaging 磁気共鳴画像法)は、一言で言えば、臓器に含まれている水と脂肪の状態を画像化する技術です。放射線と無縁であることから、人体に無害な検査法と云えます。但し、検査施行時に大きな音が出るのでそれに驚く人が多いようです。

MRIの中で、血管に特化して画像を得る場合は、MRAMagnetic Resonance Angiography)と呼ばれます。

これらが、脳出血や脳梗塞、脳動脈瘤などの診断に広く用いられていることは、周知の通りです。

一方、拍動する心臓やその血管の検査への応用は、画像収集の「ハード」面の進歩が追いつかず、遅れていました。

心拍動の様子は、多方向からMRI撮影し、それをシネモードで見ます。これにより、心臓の動き観察することが可能となり、例えば虚血のために心臓の壁運動が低下している部位心筋梗塞部位)を目で見ることが出来ます。心筋梗塞部を診断することは勿論、心機能の善し悪しなども知ることが可能となりました。

しかし、壁運動低下を示す虚血心筋部分の静止画像(収縮終期、拡張終期)を得るためには、いろいろな工夫が必要でした。薬剤を使って、極端な徐脈にして静止に近い心臓の画像として、収縮期と拡張期とを撮影し、それらを並べて比較する。心電図から信号をもらって、心収縮の一定のphase(相)で撮影し、それを多数重ねて、一見静止しているごとき画像とする。等さまざまな方法が工夫されています。また、特殊な核種(ガドリニウムなど)を注射して撮影、心筋虚血部分を強調する方法なども一般的に行われています。

虚血性心疾患の診断には、心臓を環流する血管−冠動脈−の病変の描出も必要です。冠動脈の描出には、心筋や脂肪組織の信号を抑制して冠動脈の信号を強調して、画像を再構築する等の方法がとられます。
その他、画像表示のための多くの方法が開発され、今や放射線と造影剤を用いた冠動脈造影法は冠動脈バイパス手術術前評価以外にはその必要性が少なくなったといっていいほどです。

心臓MRIMRAは、今後ますますその必要性が増すでしょう。

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