2017/7/26 水曜日

ドクターハートのつぶやき

Filed under: プライベート — yo @ 10:01:35

ふた通りの「心不全」の成り立ち

心臓が一回収縮するときに心臓(左心室)から拍出される血液量を、1回心拍出量といいます。この値に1分間の心拍数を掛けると1分間に心臓から拍出される血液量になります。これを、心拍出量といい、心機能を表すひとつの指標です。

正常な人では、一回の心拍出量は、100ミリリットル程度です。従って、脈拍60/分であれば、100×606000ミリリットル、つまり6リットルの血液が1分間で拍出されています。人の血液量は、体重の1/13程度です。体重60Kgの人であれば、60×1/134.6キログラム=4.6リットル、つまり、体中の血液の半分以上を1分間に循環させているということになります。心臓はなかなかの働きもの!でしょう。

一方。心筋梗塞などで、心臓が弱るとパワー不足となり、心拍出量も少なくなります。(低心拍出量状態)。結果、脳血流の低下(意識低下)、腎血流の低下(尿量減少)、末梢血流の低下(手足の冷感)などの症状が出現します。「心不全」のひとつのパターンです。

さらに、パワー不足は、左心室の上流(つまり、肺)の血液循環を滞らせます。(うっ滞)。その結果、肺血流のうっ滞、広く静脈系のうっ滞、を来します。この循環血液うっ滞状態をうっ血といいます。静脈系のうっ血状態が続けば、静脈内圧が上がり、細静脈の壁から血液成分(水分、血漿)が組織間隙に浸みだし、むくみ(浮腫)を形成することになります。つまり心不全のもう一つの形、全身のうっ血が目立つ 「うっ血性心不全」です。

同じ「心不全」と呼ばれる中には、その起こり方の違いから、ふた通りがあると云うことができます。それぞれのパターンによって、対処、治療方法は異なります。

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